中国における二元肥輸出停止の背景

― 40-0-5・41-0-4の実態と市場への影響 ―

 

3月14日政策転換の本質

― 二元肥輸出停止が示す構造変化 ―

2026年3月14日、中国において複数の肥料関連HSコードの輸出が停止された。
本措置は単なる規制強化ではなく、これまで市場に存在していた“構造的な抜け道”を遮断する動きとして理解する必要がある。


 

■ 政策前の実態

政策変更前、以下のような製品が市場において流通していた:

  • 40-0-5

  • 41-0-4

  • 42-0-5

これらはいずれも窒素と加里から構成される二元肥料として扱われていたが、その実態は、

尿素に少量の塩化加里を混合したBB肥料

であった。


 

■ なぜ成立していたのか

当時の制度は、

  • 尿素(単一窒素肥料) → 厳格な輸出制限

  • 複合肥料 → 相対的に緩やかな管理

という構造を持っていた。

その結果、尿素に数%の加里を加えることで、
「尿素」から「複合肥料」へと分類を変更することが可能であった。

すなわち、

形式上は合法でありながら、実質的には尿素輸出

という状態が成立していた。


 

■ なぜ40-0-5が主力となったのか

42-0-5や41-0-4が境界を試す配合であったのに対し、

40-0-5は量産に適した配合である

  • 混合しやすい

  • 成分のばらつきに対する許容度が高い

  • 大量生産・出荷に適する

そのため、実際の輸出においては、このタイプが主力となっていた可能性が高い。


 

■ 3月14日政策の意味

今回の政策の本質は、

“形式”ではなく“実質”に基づく規制への転換

にある。

すなわち、二元肥料であっても実質的に尿素と同様の機能を持つ場合、
規制対象とする方向へ移行したと考えられる。


 

■ 現在の市場状況

政策実施後、市場では以下の動きが見られている:

  • 40〜50万トン規模の在庫滞留

  • 港湾および工場での出荷停止

  • 国内市場への回流

これは、制度に依存していた供給構造が短期間で変化した結果である。


 

■ 本質的な評価

40-0-5 / 41-0-4 / 42-0-5 は、

農業用途として設計された配合というよりも、
流通および用途の柔軟性を前提とした構成であったと考えられる。

そして今回の政策により、

その構造自体が見直される局面に入った

といえる。


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